【感想】「多動力」堀江貴文
プライムリーディングで上の方に出てきていたため、読んでみた作品です。特にこれといった理由があって読み始めたわけではありませんが、強いて言うなら、かの有名な「ホリエモン」の本、考え方を読んでみたかったのが理由になります
本文自体は、非常に簡潔に分かりやすく書かれており、読みやすい本だと思います。
私自身はライブドア事件の際非常に幼かったこともあり、ホリエモンについては特にいいイメージも悪いイメージもあるわけではありません。個人的に彼の考え方は非常に合理的で、参考になる部分は多かったですが、人によっては感情的に拒絶してしまう部分はあると思います(特に最初の方/特定の人々の生き方を批判しているので)
感想
これからの時代、インターネットの登場・発達により、だれでも容易に情報が手に入れられるようになり、情報の価値は下がっていっていくと考えられる(実際、高等教育はMOOCSの存在で、学位には依然価値があるものの知識自体の価値は薄い/思考法とかの方が大事)。また、今まで広く伝えられなかった情報・技術もマニュアル化・自動化によって価値が薄くなっていくでしょう。そのような状況の中で、何か単一の仕事・価値しか生み出せないようでは自分自身の希少性が下がり、今までのようなQOLは維持できない可能性があります。
そこで、多動力=興味を持ったことにとことん手を出していく力、が必要になっていきます。1万時間の法則(※このマジックナンバーに対する懐疑説は強い)を引用すれば、1万時間とことん取り組めば一つの肩書=新たな価値を生み出せるオプションが生まれ、それが複数、しかも、分野横断的な組み合わせでできれば、あなた自身の希少性・価値は上がっていくことになります。
しかし、この「習熟するための時間」(新しい肩書を作る時間)を作るには、今の生活を見直し、やる事、やらない事を決め、時間を捻出していく必要があります。一瞬でできてしまうものに希少性(=価値)はありませんので笑。自分の時間を作るには、自分に必要のない、興味のない、やりたくない事を日常から切り捨てていくことが大事です。例えば、家事をできるだけしたくないのであれば家事代行を利用するのもありだと思います(1時間数千円程度なら、価値を生み出していく社会人ならペイできると思います)。もちろん家事をやりたいという人は別に無理にやめる必要はないと思います。また、自分の時間を奪ってくる人とはできるだけ関わらないことが大事になるそうです。確かにこれには私も同意します。必要もないのに電話したり、直接話したりして時間を割かなければならないことはお互い時間の無駄を生みます(もちろん話題によってはメールより直接話したほうがすんなり決まることはあります、メールが数往復しても決まらない分からないことは、直接会って決める、というのを個人的にはルールにしています)
新しい肩書・スキルは途方もない時間嵌って続けられることでなくてはいけません。つまり、自分がワクワクすること、やりたいことから逆算してやりたいことのために必要な肩書・スキルでないと継続していく理由付けをすることは非常に困難になると思います。(そもそも、何かを始めるときに、自分のスキルを見てできることを決めるのではなく、自分が何をしたいか先に決め、それに必要なスキルを身に着けるようにするのが、ホリエモン曰く大事らしい)。とにかく嵌ってとことんやり続け、習熟したら飽きてやめる、この繰り返しをすることで、表面的ではなく、応用できる知識(教養)を身に着けることができ、複数の分野で生かせるようになるそうです。
そして、そうやって、他の人と違うように生きることは、一般人にとって非常に大変です。特に日本のような集団主義的な文化の国では周りから逸脱することが精神的なコストを非常に必要とし、なかなか実行することができません。メンタルの力が結局は大事になってきます。しかし、実際のところ、個人個人が何をしようが、他人はその場では興味深げに見たり、反応しても、長期的に見れば誰も私自身、あなた自身に興味はないので、気兼ねすることなく周りから逸脱していけばいい、とホリエモンは締めています。
ただ、実際のところ、人間の行動は周りの人間の存在に縛られてしまいます。バイスタンダー効果などが有名ですね。この本に書いてあることすべてを実行することはできませんが、時間の作り方、今後の大学生活で何をやっていくのか、など考えるいいきっかけにはなりました。プライム会員(アマゾンstudent)であれば無料で読めるうえ、それほど時間もかからない(最悪章の終わりにあるチェックポイントだけ読んでも十分)ので、一度手に取って(?)みてはいかがでしょうか。
P.S. アマゾンの 備蓄こめたろう さんのレビューは結構面白いです。目を通してから本を読むと読みやすいかもしれません。